都内の地価は高く新しいお墓を持つのが難しくなっている近年、樹木葬を選ぶ人が増えています。
自然の還るというナチュラル志向が支持されているのと、費用が一般的なお墓よりも安いことが理由でしょう。
そこで、樹木葬の手続きの流れについてご紹介しましょう。
樹木葬ができる墓地に申し込む流れ
樹木葬は基本的に永大供養となり、代々受け継いでいくものではありません。
シンボルツリーと呼ばれる木の周りに遺骨を埋めたり、シンボルツリーを植えてその周りに遺骨を埋めるという埋葬方法です。
樹木葬はどこの墓地でも行っているわけではないため、まずは樹木葬ができる墓地を探すことから始めます。
石材店や葬儀社に相談したり、インターネットでも情報が得られます。
気に入った墓地が見つかったら、次は下見に行きます。
1つではなく、いくつか候補を選び複数の墓地を訪れてみるのが良いでしょう。
下見をするときのポイントは、近隣の環境や交通アクセスの良さ、墓地の雰囲気などです。
気に入り、料金に納得がいったら契約を行います。
支払いが完了すると永代使用承諾書が発行され、手続きは完了です。
故人が亡くなった後の樹木葬の流れ
故人が亡くなったら、亡くなった病院で死亡診断書をもらいます。
突然死の場合は警察に連絡し、検視された後に死体検案書が発行されます。
そして、死後7日以内に市役所もしくは区役所に死亡届を提出すると、火葬許可証が発行されます。
その後、火葬許可証と同じ用紙についている埋葬許可証を墓地に提出し、葬儀の準備を整えます。
次に、葬儀社と打ち合わせをして通夜と葬儀を行います。
親戚や知人を呼んで葬儀の前日に本通夜を行い、葬儀は自宅や斎場で行います。
葬儀が終わったら火葬許可証を持って火葬場で荼毘に付し、火葬後は骨の拾い上げをして骨壺に納めます。
火葬には1時間ほどかかり、その間に精進料理の席を設けて食事をします。
それから、埋葬する墓地へ連絡し、埋葬の日取りを連絡します。
埋葬するときには、埋葬許可証が必要です。
埋葬は、好きな木を植えてその下に遺骨を埋める方法、シンボルツリーの周りに遺骨を埋める方法、パウダー状にした遺骨を木の周りに散骨する方法があります。
一般的に、区画で区切られた墓地での散骨はできません。
墓地によって行える埋葬方法は異なるため、事前に確認しておくのが良いでしょう。
樹木葬をする前に注意すべきこと
樹木葬の申し込みをする前に注意すべきことは、家族の了承を得て行うことです。
樹木葬は従来のお墓のように墓石がなく、シンボルツリーと呼ばれる木が墓石の代わりになります。
まだまだ新しい埋葬スタイルであるため、親族や家族の中には反感を持つ人もいるでしょう。
樹木葬について家族や親族の理解を得たうえで申し込むのが賢明です。
また、植樹して骨を埋葬するというナチュラルな埋葬方法であることから、自分の所有する土地や山などに埋葬できるのではと勘違いされがちですが、どこで行っても良いわけではありません。
墓石は置かないとはいえ墓地であることには変わりがないため、墓地として定められた場所で行う必要があります。
どれだけ自然な方法とはいえ、一般的な埋葬と何ら変わりはありません。
そして、山の中に埋葬する里山型の樹木葬の場合、時間と共に自然の状態に還っていき、骨が取り出せなくなってしまいます。
万が一、分骨が必要となったときに対応できないことは知っておくほうが良いでしょう。
このように、樹木葬の申し込みと、埋葬までの手続きの流れをご紹介しましたが、理解できたでしょうか。
基本的には、一般的な葬儀・埋葬方法と何ら変わりはありません。
墓守の後継者問題などもあり、これからますます需要が高くなる埋葬方法となりそうです。
生きている間に、自分の葬儀方法を決めておくのも良いでしょう。