生前から自らの命の終焉に対する準備を進めている方にとって葬儀や納骨の方法は、優先的に取り組まなければならない終活のひとつです。
少子高齢化と共にひとり暮らしの高齢者が増え、跡を継ぐ親族のない方も少なくありません。
そのため、葬儀は簡素に、あるいは葬儀なし、お墓は要らない、もしくは永代供養の樹木葬という選択をされる方が多くなっています。
その理由の筆頭に挙げられるのは管理不要で低コストなことです。
そして、自然回帰という終わり方、風光明媚な場所で美しい花として生まれ変われるという理由によります。
死後は樹木葬で!という選択を揺るぎないものにするのはこれらの理由であり、確信させるのは見学会などによる十分な下見によります。
生前から樹木葬という納骨を希望されているなら、樹木葬を扱うさまざまな霊園の見学会に積極的に参加してみることをお勧めします。
春に多い見学会
多くの樹木葬霊園では年、季節ごとに見学会を企画しています。
その意図は何かというと、四季折々の樹々の移ろいを感じてもらいたいからです。
特に春の季節の見学会には力を入れており、百花繚乱の華やかさと賑やかさは見学会というよりお花見の感さえあります。
樹木葬ならではの見学会であり、故人を偲ぶにはもっともふさわしい季節と言えます。
バスによる送迎と昼食会など
お寺や霊園は郊外に立地する場合が多く、送迎バスを運行している霊園もあります。
まる1日をかけて広い霊園を巡り、相談や意見交換、ランチタイムをはさみ参加者同士の交流会などが催されるのが一般的です。
同世代の方、同じような悩みを抱えてらっしゃる方が多く、打ち解け合うのに時間がかからないばかりか、その後の合同供養祭などを経て親密さを増し、いわゆる墓友となる方がほとんどです。
これも樹木葬霊園の開放的な明るい雰囲気ならではの効果と言えます。
美しい景観と立地条件
樹木葬霊園には山林タイプと公園タイプがあり、それぞれの希望や嗜好によって選択されます。
普及の広まった近年では、山林をあえて庭園ふうに造成した樹木葬霊園も見られるようになりました。
自然葬の本質から外れているとの指摘もありますが、風光明媚な場所をいっそう美しく整備することによって、集客力がアップするのは自明の理です。
古墳やピラミッドの歴史に見るように美しい墓地や霊園は観光地にすらなります。
世界一美しいと言われるクロアチアのミロゴイ墓地は国内外から多くの観光客の散歩コースとなっています。
いつか日本の樹木葬霊園もそうなる日がくるのかもしれません。
さまざまな樹木葬の種類を知る
樹木葬と一口に言っても、さまざまな種類があります。
・園内のシンボリックな樹の周りに埋葬し銘板を置いて、共同暮という形で合葬したりする樹木葬もあります。
・また、一定期間を経てから合葬する場合もあり、選択はそれぞれに委ねられます。
・この際、早々に自然に還りたいという本人と、しばらくはお骨を遺しておきたいというご家族との間に意見の衝突が生じることもあります。
多くの場合、本人の意見が尊重されます。
見学会によるPR効果
樹木葬がもてはやされるのは、四季折々に咲く花の魅力を伝える霊園の見学会による効果も大きいといえます。
春に咲く桜はもちろん、その前に咲く梅、桜の後のツツジや紫陽花、向日葵、ハナミズキや百日紅やバラ、秋桜などこれまで多くの方が墓地霊園に抱いていた重々しいイメージを覆すには十分なラインナップです。
明るい環境に働くスタッフが明るいことはもちろん、死後も明るく過ごしたいという願いを持つ方々にとってはうってつけの環境です。
やがて死を迎えなければならない本人が、自分の眼で永眠の場所を確認するわけですからこれ以上確かなことはありません。
見学会の意図はそこにあります。
樹木葬はやがて土に還る自然葬ですが、還る土を決めるのは生きている間にしか出来ません。
さまざまな霊園をご自分の眼で確かめておくことをお勧めします。