最近は、終活という行動が広まってきたため、自身が眠る場所をきちんと指定したいと考える方も増えているでしょう。
もしも、お墓に眠るのではなく、樹木葬を指定したいと考えているのなら、気をつけなければいけないことがあります。
それは、比較的自由が利く樹木葬であっても、普通のお墓と同じように、場所は墓地でなければいけないということです。
これは、法律で決まっているので、自宅で安らかに眠りたいと考えて、庭への埋骨を希望している方は知っておきましょう。
法律で禁止されているのでやってはいけない
遺骨を樹木の根元に埋骨する行為(もしくは埋骨した上に樹木を植える行為)を樹木葬といいますが、どこで行ってもよいわけではありません。
墓地として許可を取っている場所にしか埋めることはできず、それ以外のところを希望したとしても、法律違反なので叶えられません。
もしも、残された家族が庭に遺骨を埋めてしまうと、『死体遺棄罪』という物騒な名前の罪に問われる可能性があるので気をつけましょう。
いくら家族の側にいたいからといって、家族が犯罪者になることは望んでいないはずです。
ちなみに、庭に埋めて欲しいという希望を家族が知っていて、亡くなった後に実行する可能性もあるので、やってはいけないことを伝えておくも大切です。
埋めるのではなく散骨するなら大丈夫
自宅の庭に埋めることができないと聞いて、結局はお墓しか選べないと、残念に感じる方もいるでしょう。
しかし、遺骨を粉状にした遺灰をまくことは、法律で明確には禁止されていない行為です(ですが、グレーゾーンとはいわれています)。
そのため、どうしても家族の近くである庭で眠りたいと考えるのなら、埋骨ではなく散骨で満足しましょう。
きちんと埋まってはいない状態ですが、庭の土と混じり、いつまでも家族の側に存在し続けられることに変わりはありません。
ただし、住宅地などに住んでいて、すぐ隣に住人がいるのなら、そちらの方の心情もきちんと考えなければいけないでしょう。
遺灰をすぐ近くでまかれることに拒否反応を示す方もいるので、自分たちの感情だけで散骨するのはおすすめできません。
もしも、隣の方と仲がよいのなら、きちんと相談をして、了解を取ってから散骨をすれば余計なトラブルを起こさずに済みます。
樹木葬と散骨について深く知ろう
自宅の庭が利用できないというのなら、気持ちを切り替えて、安らかに眠るための他の方法を探してみましょう。
まず、樹木葬ですが、いろいろな墓地で行っているため、数多くのところを見て回れば、自身が亡くなった後に眠りたい思えるロケーションが見つかるはずです。
お墓よりも管理が簡単なため、近くにある墓地ではなく、遠方にある墓地を選ぶのもよいでしょう。
墓地の風景はインターネット上で写真で見られるため、自宅にいながら自身に相応しいところをしっかりと探せます。
そして、海や山などいろいろなところが散骨に対応しているため、自身が望む自然環境の中で遺灰をまいてもらえます。
散骨に対応する業者があるので、そちらのホームページをチェックして、申し込み方法や手順を確認してみましょう。
樹木葬であっても散骨であっても、自身が亡くなった後のことなので、家族にきちんと伝えておかなければ、実行してもらうのが難しくなってしまいます。
そのため、亡くなった後に眠りたい場所を探すのなら、それを自分だけで行うのではなく、家族にも手伝ってもらったほうがよいでしょう。
家族に熱心に探している姿を見せれば、亡くなった後とはいえ、大切な思いを無下にされることはないです。
もちろん、行動や口頭で伝えるだけではなく、文章としてきちんと残しておくのも大切だといえます。
弁護士などの法律の専門家に頼めば、遺言書という正式な書類として、死後に残した家族に読んでもらえます。